自分がどんなふうに呼吸をしているのか、気にしてみたことはありますか?
私たちは普段、無意識に呼吸して、体内に酸素を取り込み二酸化炭素を排出しています。
これは無意識な活動ですが、ピラティスではエクササイズの最中に呼吸を整えることで、効果を高めつつ自律神経や深層筋肉を活性化することもできます。
この記事では、わかりやすい呼吸のコツをご紹介します!
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まずは呼吸のポイントを押さえよう!わかりやすい例
ピラティスのエクササイズは数多くありますが、どんな動きや姿勢の変化にも対応できるようになるために、呼吸はとても重要な役割を果たしてくれます。
もちろん、ピラティスを行なう場面だけでなく、どんな局面でも適切に呼吸をコントロールすることは役に立ちます。
わかりやすい例を挙げてみましょう。
人は、緊張感が高まると、自然と息が詰まるような呼吸になることがあります。
緊張している時に、深呼吸をすると余分な力が抜けてリラックスできたりするものです。
このように、普段の生活の中でも自然と、精神状態と呼吸がリンクしているのに気付きます。
ピラティスでは、エクササイズにしっかり集中し、自分の体に対する意識を高めた状態で動きを積み重ね、効果的なエクササイズを行なうために、呼吸が非常に重要な位置付けとなっています。
ピラティスの呼吸は、意識的に行なう深呼吸のようなイメージですが、お腹を膨らませて息を吸い、吐く時に凹ませる腹式呼吸ではなく、胸式呼吸です。
胸式呼吸では、息を吐く時に、下腹部をしっかり締めた状態で姿勢を安定させ、胸郭を360度しぼませながら、肺の中にある空気を吐き切っていきます。
そして、下腹部を締めた状態を保ったまま、胸にも背中にもたくさん空気を取り込んでいくイメージで、息を吸います。
おへその下、骨盤のあたりにコルセットをグッと巻き、呼吸を続けるイメージを持っておくとわかりやすいでしょう。
このような胸式呼吸を続けていくと、肩や首の力みが取れ、適度にリラックスしながら、常に安定した姿勢でいることができます。
姿勢が安定すれば、安全にエクササイズに取り組むことができますし、動作が不安定にならないようにできたり、難易度の高い動きができるようにもなっていきます。
せっかくピラティスを行なうのですから、呼吸のコツをつかむまでしっかり練習して、もっと効果的にエクササイズの効果を感じられるようになりたいですよね。
ピラティスの呼吸と腹筋の使い方
ピラティスでは、ウォーミングアップから、エクササイズの最中もずっと、胸式呼吸を意識して行なっていきます。
呼吸法には大きく分けて2種類、胸式呼吸と腹式呼吸があります。
大きく強く声を出す必要がある時や、ヨガをする時に行なう腹式呼吸は、胸式呼吸と比べるとわかりやすいかもしれません。
副交感神経を活性化させるので、体の余分な力が抜けて、適度にリラックスさせてくれる働きがあります。
それに対して胸式呼吸の方は、自律神経の中でも交感神経優位が活性化されます。
すると、集中力を高め、効率的に筋肉を鍛えるという効果を上げることができます。
ピラティスでは、エクササイズの最中に体の動きと合わせて胸式呼吸を活用することで、エクササイズに集中して取り組み、普段あまり使う機会のない筋肉まで刺激することができるように工夫されているのです。
胸式呼吸をする際に一番大切なのは、おへその下あたりの側腹部にある、腹横筋を活動させることです。
腹横筋は、腰に巻くコルセットのような役割を果たしてくれる筋肉で、背骨と骨盤を包み込むようになっています。
内臓をしっかり支えて腹腔内に留めておく役割を果たしてくれるとともに、背骨や骨盤を本来あるべき位置に戻してくれます。
この腹横筋は、インナーマッスルの代表格なのですが、ピラティスの胸式呼吸では腹横筋も鍛え、体を動かす筋肉だけでなく、姿勢を美しく整える筋肉も鍛えることができます。
胸式呼吸をしっかり行ないながらピラティスを行なっていくと、体の深いところにある筋肉まで使うことができ、筋力アップと基礎代謝アップという効果が期待できるのです。
ピラティスの呼吸と骨盤底筋群の使い方
ピラティスの胸式呼吸で、腹横筋と同じくらい重要な役割を担っているのが、骨盤底筋群です。
骨盤底筋群は、骨盤の内側にとどまっているべき内臓を、下からハンモックのように支えてくれています。
お腹を押さえて触ってみても、どこにあるかはわかりませんが、尿意を我慢する時に下腹部をぐっと締めるようにする時に使っている筋肉、と言われるとわかりやすいのではないでしょうか。
腹横筋とともに、体幹の奥深くでしっかり活動した状態だと、体を動かす際の姿勢の安定に、かなり重要な役割を果たしてくれます。
ピラティスの呼吸を練習していくと、意識して骨盤底筋群を収縮させるポイントも、だんだんわかりやすいと思えるようになってきます。
はじめは息を吸いながら、下腹部の奥から引き上がるような筋肉の使い方を練習してみて下さい。
そして、息を吸う時の感覚がつかめたら、吐く時にもそれをキープするように意識します。
この練習をしていくと、骨盤底筋群を収縮させながら呼吸するのがわかりやすいでしょう。
さらに慣れると、腹横筋も同時に収縮させられるようになります。
腹横筋と骨盤底筋群は、腹腔内圧を適度に保ちながら、良い姿勢を保ち、ピラティスのエクササイズの最中に腰や首などを痛めないよう守ってくれる役割も果たしています。
わかりやすいセルフチェックのポイント 胸の広げ方編
レッスンでは、始めに必ず呼吸の練習を行ないますが、なんとなくわかったつもりでいても、エクササイズが始まると、動きについていくのに必死になって、なかなか呼吸を意識し続けることが難しいですよね。
でも、せっかくレッスンを受けるからには、ピラティスの効果を最大限に感じたいものですし、呼吸法ができるようになれば、もっとレベルの高いエクササイズにもチャレンジできるようになります。
呼吸法の練習はポイントを押さえてさえいれば、自宅でひとりでも簡単に行えます。
まずは、息を吸うところから練習してみましょう。
胸も背中もしっかり膨らませると頭ではわかったつもりでも、鏡の前で深呼吸するだけでは、イメージが湧きにくいと思います。
そんな時は、胸郭を立体的に膨らませる練習に、フェイスタオルを使います。
両手で縦長につかんだタオルを背中に回して、胸の前から背中まで、体幹の上の方をぐるりと巻きつけ、胸の前でタオルが交差するようにします。
次にタオルの両端を両手で軽く引き合うように持ち、タオルが当たる感触を確かめます。
さらに、タオルが当たっている場所を満遍なく膨らませるように意識すると、胸郭を前にも横にも後ろにも、風船のように広げていく感覚がわかりやすいです。
わかりやすいセルフチェックのポイント 腹部深層筋の使い方編
もうひとつ、腹横筋や骨盤底筋群を収縮させるための練習にもコツがあります。
あぐらをかいて座り、おへその下あたりに両手を当てます。
両手のひらで下腹部を少し圧迫し、軽く咳払いをすると、手のひらの中で硬くなる部分があります。
その筋肉が腹横筋です。
腹横筋と骨盤底筋群は、呼吸の際には同時に協力しあって働きますので、腹横筋が使えていることが確認できれば、同時に骨盤底筋群も活動していると考えて良いでしょう。
手で腹横筋の場所を確認しながら、軽く手のひらの中のお腹を引き締めるように意識して、息を吐いてみて下さい。
この時の両手は、お腹を優しく包み込む程度の触り方で十分です。
吐く時の感覚がつかめたら、吸う時に意識するポイントも同じなので、わかりやすいはずです。
吸う時にお腹が膨らんでしまうと、腹横筋が引き伸ばされて少し緩んでしまいますので、注意して下さいね。
かなり気合いを入れ続けているというよりは、軽い収縮がずっと保たれ続けている感覚がわかったら、あとは練習あるのみ。
吐く時も吸う時も、姿勢が変わっても、胸郭の動きと下腹部の締めをキープするよう意識して、練習をしてみて下さい。
このようなポイントを押さえて練習していけば、レッスンの最中に戸惑うことも減り、もっと集中してピラティスを楽しむことができるようになりますよ!
ピラティスの呼吸ができるようになるメリット
ピラティスの呼吸ができるようになるまでには練習する必要がありますが、ここまでご紹介してきたようなポイントが押さえられるようになってくると、わかりやすいですよね。
どのタイミングで、どのように筋肉を使うのかを意識しながら呼吸しつつ、さらにエクササイズを行なえるようになるまで、気長に少しずつ練習していきましょう。
ピラティスの呼吸が、エクササイズの最中に無意識で、持続的に行なえるようになれば、体にも気持ちの上でもメリットがたくさんあります。
ピラティスのエクササイズでは、呼吸をコントロールしたり、良い姿勢を保ち、痛みを出さないようを予防したりするためのインナーマッスルを鍛えることがとても重要です。
強度の高い運動をしなくても、姿勢が良くなり、日常生活での活動や仕事、スポーツを行なう際のパフォーマンスを向上させることができます。
また、同時に、怪我を予防することもできます。
ピラティスの特徴である、胸式呼吸と運動を組み合わせたエクササイズを継続することで、バルクアップするのでなく、細く長く強い、しなやかな筋肉を鍛えることになります。
そうなると、代謝も上がり、長い目で見たらダイエットにもつながります。
もちろん、いずれの効果も即効性は期待できません。
着実に積み重ねていくことで効果を実感できるエクササイズが、ピラティスなのです。
ピラティスの呼吸って、コツをつかめばわかりやすい!
ピラティスを行なう際に、呼吸をクローズアップすることで、深い呼吸とともに体の芯から循環が良くなり、代謝が上がり、集中力が高まり、ストレス解消の効果もあります。
あきらめずに練習すれば、必ずできるようになりますので、ここで解説したポイントを意識しながら、コツをつかめるまで頑張ってみて下さいね。
そうすればピラティスが、もっとわかりやすい、身近なものになることでしょう。