バランスボールは、座っているだけで体幹をトレーニングすることができる、トレーニング器具の一つです。
そして体幹は、さまざまな筋肉、骨、靭帯、関節などで構成されています。
代表的なものに、腹筋や背筋、股関節周囲筋などが挙げられ、バランスボールに座るだけで筋肉を刺激することができます。
今回は腹筋にスポットを当て、腹筋をトレーニングし、鍛えることで、どのような効果が期待できるのかお伝えしていきます。
スポンサーリンク
関連のおすすめ記事
スポンサーリンク
バランスボールでのトレーニングは腹筋に効果があるのか
バランスボールは、座ってトレーニングするイメージがあるかもしれません。
もちろん、座るだけでもインナーマッスルを強化することができます。
しかし、バランスボールのトレーニングは、それだけではありません。
あえて不安定なバランスボールに体をあずけ、バランスを取りながらシットアップ、クランチなどを行うことで、平坦な場所で行うよりも、腹筋を強化する効果が得られやすくなります。
そして、使っている筋肉を意識すると、効果はさらに倍増します。
また、呼吸法も大切です。
例えば、体を曲げて腹筋を鍛える場合、まずは息を吸って、その後息を吐きながら体を曲げると、腹筋のトレーニング効果を増大させます。
意識しにくい方は、鏡を使ったり、手で触ってみたりしてください。
すると、腹筋を鍛えていることが意識しやすくなりますよ。
腹筋にはたくさんの種類がある①
腹筋は、体の前側にある筋肉ですが、一つではありません。
実は、四つの筋肉で構成されており、腹直筋(ふくちょくきん)、外腹斜筋(がいふくしゃきん)、内腹斜筋(ないふくしゃきん)、腹横筋(ふくおうきん)があります。
まずは腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋についてご説明します。
1.腹直筋
腹直筋は、みぞおちから骨盤あたりまである、長い筋肉です。
腹直筋は表層筋であり、やや痩せ型で筋肉が発達した方であれば、お腹の皮膚の上から触ることができます。
一般的な腹筋は、この腹直筋のことを指しています。
腹筋が割れるくらい鍛えたい方は、この腹直筋を強化することをお勧めします。
この筋肉はどのような動きに作用するのかというと、体を曲げる、ねじる、横に倒すときに主に使われます。
また、呼吸をする、咳をする、排便、女性であれば出産などにも大きく関与しています。
そして、腹直筋は骨盤の傾斜角度に重要な働きがあります。
腹直筋が弱くなると、骨盤が前に傾いてしまい、腰が反ったようになり、腰痛が生じることがあります。
2.腹斜筋群(ふくしゃきんぐん)
外腹斜筋と内腹斜筋をまとめて腹斜筋群と言います。
脇腹のあたりに、この2種類の筋肉があります。
外腹斜筋は脇腹の表層部、内腹斜筋はそれよりも深層部にある筋肉で、内腹斜筋は外腹斜筋に覆われています。
ウエストを細くしたい方は、この腹斜筋群を強化することをお勧めします。
主に、体をねじるすべての動作に関与していますが、曲げる、横に倒す動きにも関与しています。
そのほか、息を吐く動作にも関与しています。
また、腹直筋とともに、排便を助けたり、内臓の位置を安定させるなど、大切な役割があります。
これらの腹筋は、体の動きを伴うため、バランスボールで簡単に効果を得ることができるでしょう。
腹筋にはたくさんの種類がある②
次に、腹筋を構成している、四つめの筋肉である腹横筋についてご説明します。
腹横筋は、内腹斜筋よりも深層部にある筋肉で、代表的なインナーマッスルです。
腹直筋や腹斜筋群と一緒になって働きますが、腹直筋や腹斜筋群と異なり、体の動きには直接関わりません。
息を吐く動作、排便を助ける、内臓の位置を安定させることのほかに、お腹が出ないように引っ込める(腹圧を高める)、腰椎を安定させる働きがあります。
また、腹横筋は腹圧を高めるときに大切な筋肉であり、ゆえにほとんどすべてのスポーツでにおいて重要です。
お腹全体を引き締めたい、お腹まわりをスッキリさせたい、体幹を鍛えたい方は、この腹横筋を強化することをお勧めします。
しかし、腹横筋は体の動きに直接関わらないため、通常のトレーニングでは強化しにくい部分です。
また、ほかの筋肉を強化することと比べて、効果を感じにくい方もいるかと思います。
なお、バランスボールで行う腹横筋のトレーニングは、後ほど詳しくご説明します。
バランスボールを使った腹直筋の鍛え方と効果
腹筋の表層筋である腹直筋は、先ほどもご説明したとおり、長い筋肉です。
筋肉は、最大限に伸ばした状態から縮めたときに、効果を発揮します。
そのため、床の上でシットアップすると、最大限には腹直筋を伸ばせないので、バランスボールの上で行ったほうが効果的です。
それは、バランスボールの上だと、体をやや反らせることができるので、腹直筋を十分に伸ばすことができるからです。
その状態から体を起こすと、腹直筋を最大限に縮めることができます。
では、シットアップの方法についてご説明します。
1.バランスボールの上に仰向けになります。
2.腹直筋が伸びていることを意識してください。
3.両手は胸の前で交差しておきます。
4.両足は肩幅に開いて、足底は床に接地します。
5.息を吸って、その後息を吐きながら、腹直筋が縮むような感じで体をゆっくりと起こします。
その際、バランスボールからずり落ちないように注意してください。
6.息を吸いながら、ゆっくりと仰向けに戻ります。
これを10~15回繰り返します。
バランスボールに浅く腰かけると、体を起こす幅が小さくなるため、なるべく深く腰掛けて最大限に腹直筋が伸びるようにしてください。
また、動作を速く行うと、腹直筋以外の筋肉が関与してしまうので、動作は確実にゆっくり行いましょう。
バランスボールを使った腹斜筋群の鍛え方と効果
腹斜筋群は、腹筋の横、脇腹あたりにあることを意識しながらトレーニングします。
バランスボールの上で行うため、腹斜筋群だけでなく、体幹のインナーマッスルも強化することができます。
今回は代表的な、ツイストクランチをご説明します。
1.バランスボールの上に仰向けになります。
2.両足は肩幅に開いて、足底は床に接地します。
3.両手は頭の後ろで組みます。
4.息を吸って、その後息を吐きながら、上体をゆっくりと起こしながらひねります。
5.息を吸いながら、ゆっくりと仰向けに戻ります。
左右同じ回数ひねりながらトレーニングすることで、左右均等に筋肉を強化することができます。
そのため、左右で1セットとし、10~15回繰り返します。
バランスを取りながら、体がぶれないように意識することで、より効果を発揮します。
バランスボールを使った腹横筋の鍛え方と効果
腹横筋は、腹筋の中で、インナーマッスルの代表ともいえる筋肉です。
そのため、腹横筋を意識しながらトレーニングすることは、非常に難しいといえます。
鏡で見ることはできず、手で触ることもできません。
では、どのようにトレーニングすればいいのでしょうか?
バランスボールで腹横筋を強化するには、時間をかけてゆったりとした動作が効果的です。
その方法をご説明します。
1.床に仰向けで寝ます。
2.両膝を曲げて、両足をバランスボールの上に乗せます。
3.上半身は天井に向いたまま、バランスボールを左右に転がします。
決して反動は使わないでください。
また、呼吸をしながらゆったりと行ってください。
バランスボールの動きに流されないように意識することで、腹横筋が働きやすくなります。
4.左右10回ずつ行ったら休憩しましょう。
実際にトレーニングしてみるとわかりますが、腹横筋を強化するには時間がかかるため、すぐには効果を感じにくいと思います。
地道にトレーニングしましょう。
トレーニングには運動と休憩のバランスが大切
バランスボールで腹筋をトレーニングしていると、筋肉痛になる方がいます。
これは筋肉を確実に使って運動している証拠です。
筋肉痛は、トレーニングによって筋繊維が損傷し、それを修復する際に生じるものなので、ひどいようであれば必ず休憩してください。
そして、ご紹介した運動と休憩をバランスよく行い、腹筋の筋力トレーニングを効果的に実施していきましょう。