ダイエットの目標に合う距離を走ろう!

「かっこよくなりたい!」「美しくなりたい!」とダイエットに挑戦する方は多いかと思います。

そしてそのためのダイエットの方法として、走ることが挙げられます。

例えば、皇居の周りを走る「皇居ラン」は話題になりました。

しかし、「このくらい痩せるにはどのくらい走るのがよいのか」と困ってしまうのではないでしょうか。

今回は、ダイエット目標に合わせて走る距離を設定する方法をご紹介します。

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ダイエットを行う上での基礎知識

走る距離について考える前に、ダイエットについて考える上での基礎知識についてまとめます。

そもそも、体重を1kg落とすには、どのくらいのカロリーを消費する必要があるのでしょうか。

今回は、体脂肪の減少だけで体重を1kg落とした場合について考えます。

脂質が持つエネルギーは1gあたり約9kcalとされています。

そして、体脂肪は80%が脂質、20%が水分で構成されています。

そのため、体脂肪1kgあたりには800gの脂質が含まれているということになります。

これらのことから、体脂肪の減少だけで体重を1kg落とすために必要なカロリーは、以下のようになります。

800〔g〕×9〔kcal〕=7200〔kcal〕

例えば、1か月で1kgのダイエットをする場合、1日あたり240kcalのカロリーを消費する必要があります。

これは、およそ茶碗1杯分のごはんに相当します。

距離よりも大事!ダイエットに適した走るペースと時間

次に、ダイエットに適した走るペースと時間についてみていきます。

これに関しては、心肺機能や体格などによって個人差があるため、参考程度にしてください。

ダイエットで走るときには、距離を意識される方は多いことでしょう。

しかし、実は走るペースもダイエットでは重要となります。

走るときのエネルギー源には、脂質のほかに糖質も使われます。

そして、脂質と糖質の利用比は運動の強度によって決まります。

一般的に運動強度が上がるにつれて、糖質と脂質の利用が増えてきます。

しかし、ある運動強度(乳酸ができる運動強度)を超えると、脂質の利用が減少し糖質の利用が増えてきます。

この乳酸ができる運動強度というのは、最大酸素摂取量の65%の負荷にあたるとされています。

いくつかの研究によると、最大酸素摂取量の65%の負荷で運動したときが、最も脂肪が分解されるといわれています。

それでは、この最大酸素摂取量の65%とは、どのくらいの負荷でしょうか。

抽象的ですが、実験などでも用いられる主観的運動強度(RPE)に当てはめると「やや楽である」と「ややきつい」の間です。

そのため、体脂肪を落とす目的があるダイエットでは、ハイペースで息が上がるような走り方よりも比較的楽なペースで走るほうが効果的です。

また、運動を継続すればするほど脂質の利用が増えてきます。

脂質自体は常にエネルギーとして使われていますが、体脂肪を使って1からエネルギーを生み出すには時間がかかるためです。

これらのことから、ダイエットではきつすぎないペースで長い時間走るのが効果的だといえます。

消費カロリーから走る距離を決める

次は、消費カロリーをもとに走る距離を決めるにはどうすればいいかをご説明します。

ダイエットをするうえで重要な指標である消費カロリーには、酸素消費量が関係しています。

走る際の酸素消費量は次の推定式で求めることができます。

酸素消費量〔mL/kg/min〕=速度〔m/min〕×0.2〔mL/kg/m〕+3.5〔mL/kg/min〕

例えば、時速12km(分速200m)で走るとすると、酸素消費量は次のようになります。

200〔m/min〕×0.2〔mL/kg/m〕+3.5〔mL/kg/min〕=43.5〔mL/kg/min〕

そして、酸素1リットルあたり5kcal消費するため、時速12kmで走るとすると、消費カロリーは次のようになります。

5〔kcal/L〕×43.5〔mL/kg/min〕/1000=0.2175〔kcal/kg/min〕

つまり、体重60kgの人が時速12kmで30分走るとすると、そのときの消費カロリーは次のようになります。

0.2175〔kcal/kg/min〕×60〔kg〕×30〔min〕=391.5〔kcal〕

また、この際の距離は以下の通りです。

200〔m/min〕×30〔min〕=6000〔m〕=6〔km〕

消費カロリーのうち脂肪が使われているのはどのくらい?

次に、走る際のエネルギーとして脂肪がどのくらい使われているかを考えます。

ダイエットをする方にとって、脂肪がどのくらい燃焼しているのかは重要です。

脂肪と糖は、運動強度が上がるにつれて消費量が増えることは先ほどご説明しました。

さらに詳しくみていくと、運動強度が低いときは脂肪のほうが使われる比率が高くなっています。

安静時では脂肪と糖が2:1の比率で使われているといわれています。

そして、最大酸素摂取量の65%の負荷くらいの運動で脂質と糖の使用比率が1:1となります。

つまり、最大酸素摂取量の65%の負荷で運動すれば、消費カロリーのおよそ半分が脂肪燃焼に使われるという計算になります。

それでは、先ほどの例で脂肪がどのくらい使われているのかを計算してみます。

体重60kgの人が時速12kmで30分走ったときの消費カロリーは391.5kcalでした。

この人にとってこのペースが最大酸素摂取量の65%の負荷だとすると、脂肪から使われたエネルギーはその半分ですので、次のようになります。

391.5〔kcal〕/2=195.75〔kcal〕

もっと楽な負荷で走る場合は、消費カロリーの60%が脂肪からきていると考えればよいです。

ここまででお分かりいただけたかと思いますが、距離自体は重要ではなく、走るペースと時間を設定した結果、距離が決まるというイメージです。

とはいえ、距離はわかりやすく目標にしやすい部分もあるでしょう。

次は、走る距離の設定についてまとめていきます。

ダイエット目標から走る距離を設定しよう!

それでは、ダイエットから走る距離を設定する方法についてご紹介します。

①どのくらいの期間で、何kg落とすかを設定します。

ポイントは、急激な減量は避けることです。

目安としては1か月で2kg程度までにとどめるようにします。

②落とす体重から減量に必要な消費カロリーを計算します。

体脂肪1kgあたり約7200kcalということから、以下のように求められます。

7200〔kcal〕×落とす体重〔kg〕=減量に必要な消費カロリー〔kcal〕

③減量に必要な消費カロリーを日数で割って、1日あたりの脂肪燃焼の目標カロリーを計算します。

例えば、体重を2週間で1kg落とす場合、1日あたりの脂肪燃焼の目標カロリーは次のようになります。

7200〔kcal〕×1〔kg〕/14〔日〕≒514.3〔kcal/日〕

④走るペースを決めて、1日あたりの脂肪燃焼の目標カロリーから目標となる総消費カロリーを計算します。

最大酸素摂取量の65%のペースで走る場合は2倍、それより遅いペースなら1.7倍となります。

最大酸素摂取量の65%のペースで走るとすると、目標となる総消費カロリーは次のようになります。

514.3〔kcal〕×2=1028.6〔kcal〕

⑤目標となる総消費カロリーから、走る時間を計算します。

体重60kgの人が時速12kmで走るとき、1分あたりの消費カロリーは13.05kcalになるため、走るべき時間は次のようになります。

1028.6〔kcal〕/13.05〔kcal/min〕=79〔min〕

⑥⑤の計算で出てきた時間から、走る距離を決めます。

時速12kmで79分走るとすると、その距離は次のようになります。

200〔m/min〕×79〔min〕=15800〔m〕=15.8〔km〕

「長い距離走るのは嫌だ!」という人には

ここまでで、ダイエットで走る際の考え方や走る距離の設定方法についてご紹介してきました。

最後に、ダイエットの効果を高めるちょっとした工夫をご紹介します。

①インターバルで走る距離を分割

先ほど、長い時間走るほうがよいとご紹介しました。

しかし、「そんなにずっと走り続けるのは嫌だ!」という方も少なくないでしょう。

そのような方におすすめなのは「走る距離を分割する方法」です。

実は途中でインターバルを挟んでもダイエット効果は下がらないといわれています。

例えば、15km走る方は、数分間のインターバルを挟みながら5km×3本という形でもよいということです。

②ダンベルを持って消費カロリーアップ

次の方法はダイエット経験者であれば一度は試したことがあるかもしれません。

走る際にダンベルを持つと酸素消費量が増します。

先ほどご説明したように、酸素消費量が上がれば消費カロリーも増加します。

ダンベルがなくても、水分補給用のペットボトルを持って走るというのもよいかもしれません。

無理のないダイエット計画で健康的な減量を

今回は、ダイエットで走るうえでの考え方や距離の設定についてご紹介しました。

ダイエットする方の中には無理な計画を立てて、挫折したり体を壊したりしてしまう方もいます。

ダイエットをする際は、「きつそうだけど頑張ろう!」ではなく「このくらいなら続けられそう」くらいがちょうどよいのです。

無理のない計画を立てて、健康的に減量することが何より大切です。